「なんか役に立つの?」

「それやる意味あるの?」

「自己満足じゃないの?」

これは最近、コアメンバーの一人がリーマンサット・プロジェクト(仮)のことを奥さまに話した時の反応である。宇宙好きからすれば「このロマンをなぜ理解してくれないのか!?」「宇宙がいかに雄大で尊い存在であるのかみんなわかっていない!」などとやりきれない気分になるところだろう。

しかしこれが「現状」だ。多くの人にとって宇宙は縁遠い存在である。

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1月末KICK OFFミーティングの事前打ち合わせのために集まったぼくらは毎度のごとく頭を悩ませていた。ミーティングの内容についてはなんとか固まったものの、相変わらずプロジェクトを進めるために考えなくてはいけないことが山積みである。

大きな問題の一つは「どうやって多くの人を巻き込むのか」である。このプロジェクトには人手が必要だ。みんな本業の傍らでやっているから一人一人の時間的キャパシティは限られている。さらに、ぼくらは素人集団なのでたくさんの人から知恵を集めなくては物事が進まない。「宇宙のことを知らんやつはほっといて勝手にやる」とはいかないのである。そもそもこのプロジェクトのコンセプトに「宇宙好きの人はもちろん、宇宙に興味がない人、友人や家族をも巻き込んで」というのがあるので、宇宙に関係ない人をいかに引き付けるかは大変重要な要素なのだ。しかしそれが大きな問題。なにしろ、一般人にとって「宇宙に対する印象」は冒頭のそれだ。

では、この問題をどう解決するか。それには「ミッションをいかに身近なものと関連づけるか」が鍵だと思っている。宇宙とか関係なしに、「それおもしろい」と思ってもらえるようにする。そのために必要なことはシンプルでわかりやすく、そしておバカであること。

おバカってなんだよ、と思うかもしれないが、それはこのプロジェクトの始まりと反響から来ている。このプロジェクトのお披露目は2014年11月のメイカーフェア。「半分くらい掃ければよし。残りは今後の宣伝用」と考えて200枚ほど作ったポスターカードは一日目に半分以上掃けてしまい、メイカーフェアが終わったときには余りがなくなってしまった。おまけにキックオフミーティングである。「参加者は多くても10人くらいだろう」というぼくらの予想を大きく上回り、参加希望者はなんと想定の倍の約20名。

『「素人たちが集まって二年以内に人工衛星を打ち上げる」なんてバカげている(でも面白そう)』

と思ってくれた方が大勢いらっしゃる結果であると思う。もし「宇宙開発の専門家が5年かけて衛星ビジネスを立ち上げます」だったらこれほど興味を持ってもらえてはいなかったはずである。リーマンサットは、誰でも参加できるという気軽さと、そして通常考えると誰もやりそうもないアホさが(良い意味で)インパクトになって、多くの人が興味を持って下さったのだと考えている。

ということで、

・わかりやすく

・身近で

・「おバカ」であること

これがぼくらのミッションの方向性である。このコンセプトを元に、ミッション案を考えていくこと。そして一人でも多くの人に

「なんかバカなことやってるけど、面白そうだから手助けしてやるか」

と思ってもらうことが今の方針だ。

さしあたってみなさまにはぼくらのことを今後とも末長く、生暖かい目で見守って頂きたいと思っている。