皆さん、こんにちは。
名古屋支部の近藤 健です。
今回はタイトルにもある通り、10/1(日)に名古屋支部から参加した『青少年のための科学の祭典2023・名古屋大会』のレポートです!
名古屋支部からは、『きみも人工衛星を操縦してみよう!』というテーマで、人工衛星の姿勢制御の原理を体験するブースを出展しました!

こんなイベント

青少年のための科学の祭典は、名古屋市科学館が名古屋大会の会場となっていて、長く続いている歴史あるイベントなんです。
毎年、色んな科学の実験や体験ができるブースが出展されていて、今年は、熱したビスマスを冷やして固めて結晶を作ったり、分子模型を作ることができたり、霧箱の中を飛び交う放射線の軌跡を見ることができたり、理科が好きな子どもたちにとって、とっても刺激的な内容が多くて、僕も時間があれば一緒に混ざりたかったです!
名古屋支部としての出展は今年が初めてで、10/1(日)の1日だけの参加でしたが、多くの来場者の皆さまにお越しいただき大盛況に終わりました!
改めまして、ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

『青少年のための科学の祭典2023・名古屋大会』の概要はこちら
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/visit/attraction/event/2023/2023_1.html

出展テーマは「人工衛星の姿勢制御」

ところで、今回のイベントのテーマとなっている姿勢制御って、人工衛星にとって、とても大切な仕組みなんです。
宇宙空間で姿勢を変えるのは難しく、地球上にいる私たちのように、簡単に向きを変えることができません。そのため、人工衛星には向きを変えるための「リアクションホイール」や「磁気トルカ」という特別な装置が搭載されています。
初めて聞く方にはちょっと難しいかもしれませんが、「リアクションホイール」は一定速度で回転するフライホイールを加速・減速させた時の反作用で人工衛星を回転させることができる特別な装置です。もしかすると、宇宙が好きな皆さんは一度は耳にしたことがある装置かもしれません。
そして、「磁気トルカ」は宇宙空間で電磁石を利用して地球の地磁気と影響させて人工衛星を回転させることができる特別な装置です。地球にいると分かりにくいですけど、宇宙空間で向きを変えるのって本当に難しいのですね!
因みに、2024年度に打ち上げ予定の超小型人工衛星RSP-03には、この両方の姿勢制御の装置が搭載される予定です。

ブースではリアクションホイールの動作原理を疑似体験!

今回は、この姿勢制御の装置の中でも「リアクションホイール」の動作原理を疑似体験できるブースを出展しました。
来場者の方に、回転する自転車の車輪を持って回転台の上に乗ってもらい、「車輪を傾けた時に回ることができる!」という内容です。
研究熱心な子どもは上手に回ることができたり、なかなか回ることができなくて頑張って何度もリベンジする子もいました。
子どもが楽しんでるのを見て、お父さんお母さんも一緒になって楽しんでいました!

実際に回っている動画がこちらになります。
回転する車輪を傾けただけで回るって本当に不思議ですよね!

お願いごとを書く「宇宙ポスト」も設置

姿勢制御の体験コーナーの隣では、宇宙ポストのお願いごとを書くコーナーも設けて、今回は203枚のお願いごとが集まりました。
将来の夢を一生懸命書く子がいたり、お母さんに内緒で見られないようにお願いごとを書く子もいました(笑)
たくさんのお願いごとを投函いただき、本当にありがとうございました!
投函いただいたお願いごとは、超小型人工衛星RSP-03に搭載されて、2024年度に打ち上げ予定です。(打ち上げ日・打ち上げ場所は未定です)

イベント準備その①:リアクションホイール(車輪)の製作

今回のイベントは今年1月から企画を始めて、名古屋支部にとっておよそ1年がかりの大イベントでした。
その中でも、一番大変だったのがイベント物品の製作です。
特に、車輪は、回転していても危険が伴わないようにするため、タイヤを囲うようにスポンジで覆ったり、スポークに手指を巻き込まないように透明のカバーを取り付けました。
さらに、子供向けのデザインにするため、車輪の内側周囲にLEDテープを貼って光らせたり、星形のシールを貼る工夫もしました。

LEDテープが光っていない状態だと、こんな感じです。
星形のシールは、実は、元はパステルカラーの折り紙で、カッターで星形に切り抜いてテープで貼り付けてあります!

イベント準備その②:星空の幕づくり

次に大変だったのが星空の幕です。
今回のイベントは「きみも人工衛星を操縦してみよう!」というテーマですが、その名の通り、回転する車輪を持って、「星空の幕の中を探検する!」というものでした。
みんなで星空の幕を作ることになったときに、どの星座を幕に載せようかとか、名古屋独自の「しゃちほこ座」とかあったら面白いよねとか、色んな意見が出ました。
最終的には四季を彩る代表的な星座を載せることになったのですが、さらに一等星の色付けをしたり、おうし座の「すばる」や、はくちょう座の「アルビレオ」など、有名な天体を載せる工夫もしました。

星空の幕の解説はこんな感じです!
細かい部分まで拘って作った自信作です!

今回の定例報はここまでです!
名古屋支部では、今後も東海エリアの宇宙を盛り上げるべく、各地で活動を行っていく予定です。
名古屋支部の活動に興味を持った方は、是非参加をお待ちしております!
それでは次の名古屋支部定例報でお会いしましょう!


【この記事を書いたメンバー】

RSP-02 C&DH系、RSP-03 X系 & 名古屋支部長   近藤 健(Kondo Ken)

宇宙が大好き。趣味は宇宙開発とサイクリング旅行。


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