こんにちは、超小型衛星RSP-03チームです。
「ハモるん開発記」では、リーマンサットでの衛星開発がどのように行われているのかを、ハモるんことRSP-03の開発各系ごとにご紹介します。
「ハモるんって?」「”系”って?」という疑問があるかたは、文末へどうぞ!

先月の進捗報告はこちら→ハモるん開発記:超小型衛星RSP-03進捗2023年9月

2023年10月のハモるんと03メンバー

・RSP-03の愛称「ハモるん」が、03チーム内投票によって決まった!
・JAXAへ提出する安全審査Phase0/1/2の資料について対応。
・アンテナ展開試験を行った。「アンテナが誤展開しないためのピンをさしたまま展開試験をし、アンテナが展開しなかった」というウッカリミスも。
・太陽電池貼り付けを開始!
・第67回宇宙科学技術連合講演会、通称「宇科連」にてRSP-03の発表を行った!

それでは、10月の各系進捗です。

M(ミッション)系

・単体機能は実装が進んでいる。結合テストはこれから行う。
・AOBCとのSPI通信機能の確認が最重要だが、実装が進んでいない。12月までにSPI経由で写真撮影から作曲まで一気通貫で疎通確認できなければ大きな影響がでる。
・作曲コマンドを地上局から送信できるようになった。
・地上局から音楽データ・画像データのダウンロードのフロー・シーケンスについての確認あり。M系では分割してダウンロード後、揃ってから復元することを考えている。
・各種コマンド実装、テスト中。
・ハモるんが作曲するための曲モチーフ作成:6曲目を着手。
・写真撮影、赤経赤緯取得コマンドの動作確認予定。
・M(ミッション)系運用システム画面とシーケンス、コマンド仕様について関係者で議論し、おおむね内容合意。実装進める。カメラ関係のコマンドと処理(ダウンロードとサムネイル作成、config設定)について工数がアサインできていないので、実装は後回し。

C&DH(コマンド&データハンドリング)系

・FM電源基板全ての動作確認完了。3枚は正常、1枚は不具合事象を1度観測した。不具合事象が発生した基板は再現試験を複数回行ったが現象再現しなかったので、保留としている。
・2023年末までにAOBC(姿勢制御用マイコン)、MOBC(ミッション用マイコン)含めて衛星システム全体のソフトウェアを一通り完成させる予定。
・今の時期に、衛星を一通り動かしてハードウェアにバグがないことを確認しておきたい。ハードウェアに関係ない、ソフトウェアに関するものは年明けでもアップデートは可能。
・AOBC用にA(姿勢制御)系デバイスのドライバも修正予定。
・ファームウェア(※1)実装中
・AOBC姿勢制御部の土台作成。
・衛星が地上に送信するデータフォーマットのベータ版策定 & 実装。
・AOBC – MOBC間の通信機能を実装し、AOBCでの受信割り込み成功。互いに100kbps程度でデータが送受信できることを確認した。
※1 ファームウェア:ハードウェアの基本的な制御を行うために機器に組み込まれたソフトウェア

T(通信)系

・TC(通信・C&DH系)基板を改版することに決定。理由は、動作確認・機能確認を行う中で改修しないと故障に繋がりそうな箇所、改修しないと性能が出せない箇所が複数見つかった為。ジャンパワイヤ等で無理やり改造することもできるが、打ち上げ時の振動で破損するリスクがある。
・基板改版について、現時点でのFM基板の改造による変更確認は大体終了した。変更した基板のレビューをしてから発注の予定。10月末までに出図、11月末に納入、そのあとすぐに動作確認を行いその後の組み立て・落成検査に間に合わせる。
・AFSKの受信がそれなりに動いていることを確認した。
・周波数申請は、外国からの異議申し立て書簡がきて対応中。既存の人工衛星と干渉するかどうかの質問が来ている。

P(電源)系

・10月末から太陽電池の貼り付けを開始した。

太陽電池セルの貼り付けを練習しているところ

・練習用のセルは良好に貼り付けできた。
・太陽電池の貼り付け前に、太陽電池セル単体状態でのEL試験(Electro-Luminescence)を実施し、各セルに異常がないことも確認した。


・EL試験とは、電圧をかけて光を出すことで太陽セルの健全性を確認する試験。左側の写真が赤く光っている。予備を含む11枚に対してEL試験を行い、フライトモデル品10枚を選別した。

・写真の状態は完成度80%くらい、まだ電気的接続(はんだづけ)が残っている。

A(姿勢制御)系

・ソフトウェアは引き続きStabilizeコマンドの実装中。
・例外フローとして何を考慮するべきかの洗い出しを行った。

H(熱・構造)系

・アンテナユニットを組み付け、展開を行った。
・真空環境でのアンテナ展開を行った。
・地上局系のコマンド経由でアンテナ展開を行った。

G(地上局)系

・運用システム開発と無線送受信機能開発を行った。
運用システム開発:
・地上局からC&DH系へのコマンド送信実装はほぼ完了した。
・定期的にテレメトリを受け取る機能を実装中。
・テーブル設計(運用システム画面のデータベース)を進めた。詳細をさらに詰めていく。
・M(ミッション)系コマンドの実装やテーブル設計を進めている。

無線送受信機能開発:
・PLUTO-SDRで受信したとき、受信周波数がずれていそうな挙動が見えている。PLUTO-SDRの水晶発振器載せ替えの検討や、HackRF-SDRによる受信を試してみる。

その他:無線周りの開発の優先順位を見直した。
1.AFSK・GMSK信号の復調確認
2.CW・DigiTalker・SSTVの地上局構成の確認
3.4FSKの開発
4.OQPSKの開発

次の3つの系は、開発の系ではなく広報の系です。RSP-03は広報に関する系も内包しています。

D(デザイン)系

・新作グッズの一つ、クリアファイルをデザイン中。
・RSP-03の愛称が「ハモるん」に決定したので、グッズ化を見越してハモるんのイメージをデザイン中。

X(外部公開)系

・RSP-03愛称を03チーム内で募集。数ある候補の中から最終的に「ステラシンフォニー」 vs「ハモるん」で決戦投票を行い、「ハモるん」に決定した。

F(ファンディング)系

・クラウドファンディングについて、体制と方針、実施時期について検討した。
・2023年11月の「星マルシェ」へ参加を決定。今年の目玉を「リーマンサットガチャ」とする。RSP-03意外にもRSP-02、ローバーチームへ声をかけ、ミッションロゴとデザインデータからアクリルキーホルダーづくりを計画。

・アクリルキーホルダーのスタンドをリーマンサット名古屋支部メンバーが製作予定。製作に2週間を想定。

「星マルシェ」とは?イベント告知はこちら→(過去記事)星マルシェ 2023に出店します☆☆☆

ハモるんとは

ハモるんは超小型人工衛星「RSP-03」の愛称です。
サイズはなんと、手のひらサイズの約10センチ四方の立方体!
この小さな衛星が行うミッションのコンセプトは「星のシンフォニー(Stellar Symphony )」です。
地球を周回しながら、「宇宙空間で撮影した星の画像」と「衛星のハウスキーピングデータ(衛星の各パーツの状態を表す数値)」から多彩な音楽を作曲し、その音楽データを地上に送ります。

”系”とは

リーマンサットでは、二つの意味で「系」という言葉を使っています。
①何らかの機能を持つ仕組みのこと。
②衛星開発プロジェクトを行うために、機能や役割ごとに技術部内で分かれているグループのこと。
ハモるんでは、ミッション系や姿勢制御系、地上局系など、現在10のグループに分かれて開発を行っています。このグループを”系”と呼んでいます。

以上、2023年10月の開発進捗でした。
来月のハモるん開発記もお楽しみに!

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宇宙開発したい皆さん、一緒に何か企てませんか?リーマンサットが気になったかたはこちらまでどうぞ。

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開発メンバー、広報として一緒に盛り上げていくメンバーも随時募集中です。
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【この記事を書いたメンバー】

広報部 オウンドメディア課 &RSP-03外部公開系 トモエ モエ
リーマンサットCBO(C:最高 B:ビール O:責任者)
好物はビールと焼肉


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