「#工場活動日記」は、超小型衛星RSP-03チームの「工場」での活動備忘録です。
「工場」とは、リーマンサットが借りている町工場の一室で、開発スペースのこと。リーマンサットメンバーが汗水をたらし、徹夜を越えたこの「工場」から、超小型衛星RSP-00、01が宇宙へ飛び立ちました!

2023年1月3日(火)

日記当番:おすぎ
天気:晴れ
活動人数:9人
お昼ごはん:餅うどん
おやつ:越後名物翁飴、長野名物雷鳥の里、神戸チョコ、クッキー

■本日のお品書き

ー新春初開発
ー通信プロトコルの仕様検討
ー通信系プログラムの実装
ーC系プログラムの実装
ー通信系/C&DH系基板の設計
ー論文執筆
ークラウドファンディング用写真撮影

ー新春初開発
都内某所にて2023年の開発初めを行いました。
今日は参加メンバーのうち半分は帰省先からの直行集合でした。
帰省先から直行するくらい相変わらずモチベーション高く開発しています。
2023年前半にはFM(フライトモデル:実際に宇宙に飛ばす機体)が完成予定です。
ハードウェアだけでなく、ソフトウェアの開発も加速してきました。

ー通信プロトコルの仕様検討
衛星内・衛星-地上間で使用する通信プロトコルの仕様検討・調整を行い、ほぼ決定できました。
今後はこの仕様に従ってプログラムを実装してきます。

ー通信系プログラムの実装
衛星に搭載する無線機はRSP-01の時よりrsp.で内製しています。
RSP-03でも内製無線機の開発を行っており、ハードウェアはほぼ開発が完了し、現在はハードウェアを制御するためのソフトウェアの開発を行っています。
本日は地上局を模擬したハンディ無線機からの試験電波を疑似負荷を介して送信し、内製した無線機で初めて受信することができました。
地上局→衛星の通信が確立できました。
また、昨今の半導体事情により使用する制御マイコンもRSP-01から変更していますが、RSP-03で使用することになったマイコンを使って無線ICの制御を行えることも確認できました。

ーC系プログラムの実装
C&DH系のプログラムも着々と実装を進めています。
本日は衛星内部の機器の電源をON/OFF制御する部分のプログラム開発を行いました。

ー通信系/C&DH系基板の設計
RSP-03では通信系とC&DH系を同一基板に搭載することになっています。
90x94mmサイズの基板に2つの系の要求・機能を満たすための部品を搭載し、部品間を接続する配線も通す必要があります。
ひしめくように部品が乗り、みっちり配線が走った基板ができあがりそうです。
完成まであともうひと息です。

ー論文執筆
普段の活動の成果や、リーマンサット・プロジェクトの認知度向上のため学会発表・論文投稿も計画しています。
趣味の活動で学会発表というなかなか面白い取り組みも行っています。

ークラウドファンディング用写真撮影
2023年1月から2月にかけてRSP-03打ち上げ・開発費用のためのクラウドファンディングを行いました。
クラウドファンディングを盛り上げるため、SNS用の写真の撮影も行いました。

Twitter☆リーマンサット・プロジェクトの日常を垣間見れる!?
https://twitter.com/RymanSat
Instagram☆
https://www.instagram.com/p/CkQeU9nSg33/?igshid=YmMyMTA2M2Y=

2023年1月22日(日)

日記当番:おすぎ
天気:晴れ
活動人数:7人
お昼ごはん:中華
おやつ:コアラのマーチ、橫濱限定ミルクキャラメル、ガーナ生チョコレート

 

■本日のお品書き

ー衛星-地上局間通信プロトコルの確認
ー電源-C&DH系パラメータ調整
ー太陽電池セル特性確認
ーバッテリ振動試験ジグ確認
ークラウドファンディング記事取材

ー衛星-地上局間通信プロトコルの確認
衛星と地上局の間は電波(アマチュア無線帯)を使って通信します。
電波を使って無線通信する前に、ケーブルを接続した有線通信で地上局システムと衛星(C&DH系)の間でデータのやり取りが行えるかの確認を行いました。
確認開始時はバグがあって上手く疎通できませんでしたが、デバッグを行い無事に疎通が取れることが確認できました。

ー電源-C&DH系パラメータ調整
衛星の状態はHK(House Keeping)データと呼ばれるデータで衛星から地上に届きます。
HKデータは衛星に搭載されている各種センサの情報をC&DHが収集して作成します。
本日は電源系基板に搭載されている電圧や温度を測定するセンサの値が正しく取得できるようにパラメータの確認・調整を行いました。

ー太陽電池セル特性確認
先日納入された太陽電池セルの特性確認を行いました。
本日確認した内容をもとに太陽電池セルを搭載する基板を設計します。
最終的には太陽電池セルと基板をはんだ付けし、SAP(Solar Array Panel:太陽電池パネル)に仕上げます。

ーバッテリ振動試験ジグ確認
衛星に搭載するバッテリは打ち上げ時の振動に耐えられるか確認するために振動試験を行う必要があります。
先代の衛星、RSP-01でも同じ試験を行いましたが、その時に使った試験ジグがRSP-03でも使えそうか確認を行いました。
試験ジグに追加工が必要なことがわかったので、今後追加工の検討を行います。

ークラウドファンディング記事取材
RSP-03では打ち上げ・開発費用確保のためにクラウドファンディングを行いました。
お陰様で多くの方々にご支援いただきましたが、より多くの方々に活動の様子をみていただきたく、記事にしてクラウドファンディングのページに記載しました。
本日はリーマンサット内の広報チームメンバーが地上局開発にフォーカスした記事を書くために地上局リーダーに取材を行っていました。
取材して作成された記事はこちら(RSP-03地上局系に突入!大人気!フライトタグのご紹介!)に掲載しました。

クラウドファンディングでは、216人もの方に支えられ、目標を越える3,352,000円ものご支援をいただくことができました。
本当にありがとうございます。
RSP-03プロジェクトのクラウドファンディングは終了しましたが、リーマンサットの活動は皆さまからのあたたかいご支援によって支えられています。
こちらのページを常設しております。
https://www.rymansat.com/donate
いただいたご寄付は、リーマンサットの各プロジェクトの活動で大切に使わせていただきます。

たくさんの方に応援いただき、今まで以上に開発に邁進していきます。
次回の工場活動日記もお楽しみに!
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宇宙開発したい皆さん、一緒に何か企てませんか?リーマンサットが気になったかたはこちらまでどうぞ。
https://www.rymansat.com/join
開発メンバー、広報として一緒に盛り上げていくメンバーも随時募集中です。


【この記事を書いたメンバー】

技術部 RSP-03 C系 / 電源系 / 通信系 / 地上局系 おすぎ


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