RSP-02広報 Kkuraです。
4月7日に行われたRSP-02基板実装会をレポートしたいと思います。
個人的に2回目の実装会ということもあり、Myハンダゴテを持参してかなり張り切って参加しました。
早速紹介していきたいと思います。

基板実装会はじまる

今回はEM*向け基板(ミッション系・通信系)に部品を実装することが目標です。
現場にはヒートガン、ハンダゴテ、リフロー用に改造されたトースター、実体顕微鏡が用意されており、これらと自前の工具を使って実施します。
*EM:エンジニアリングモデル。衛星が宇宙環境で稼働できることを試験するモデル(Engineering Model)

まず、Sさん自家製の練習基板(写真1)にチップ抵抗を実装するところから始まりました。
実装する部品のサイズは0603(0.6mm × 0.3mm)と0402(0.4mm × 0.2mm)の2種類(2番目の写真の上が0603/下が0402)があり、比較的大きい0603から始めていきます。


今回実装した部品。上が0603、下が0402です。


こちらは一緒に取り組んだC(コマンド)系Cさん。

次にハンダペーストの練習です。
ステンシルが無いので注射器を使って適量を基板に塗布します。
まず、ヒートガンで加熱して様子を見ました。
グレーのペーストが変色したと思ったら部品がヒートガンの風に煽られて失敗しました。
再びペーストを塗り、今度は改造オーブンにトライ!
リーマンサットには2台の改造オーブンがありますが、今回はPM(プロジェクトマネジメント)系Sさんお手製のコントローラーを付けた方を使いました。
コントローラーの液晶には温度の折れ線グラフが表示され大変見やすい仕様になっています。
Xに動作動画もあげてるので、そちらもご覧ください。

しかし、ペーストの量が適量でないからかペーストが薄く広がってしまって上手くいきません。
一緒に取り組んでいるCさんと「難しいですね…」と言い合って一旦休憩となりました。
ちなみにRSP-01ではもう一つの改造オーブンが活躍したそうなので是非リベンジしたいですね。


リフロー用オーブン。

Sさんお手製のコントローラー。

EM基板に実装開始!

休憩後、そろそろ本番にしようという話になりEM基板に実装を開始しました。
基板設計&M(ミッション)系Wさんの指示に基づいて部品と位置を確認します。
練習ではチップ単品で練習していましたが出てきたのはドライバーIC。足の間が狭くてどうしたら良いのか全くわかりません。
一か八か薄くハンダをコテに付けてパッドに擦り付けていきますが、こんな方法では埒が明きませんでした。

奇跡的にICを3つ付け終わって、子衛星チームKさんにチェックしてもらいます。
するとKさんが「ちょっとやって見せましょうか」といって実体顕微鏡を大型ディスプレーに接続し始めました。
「こんな感じでハンダを盛ってから、ハンダ吸い取り機に吸わせます」と言いながら大画面の中で綺麗にハンダが整っていき、皆んなから「おおー。」という歓声が上がりました。
私はいいお手本を見ると自分もできる気がしてやりたくなってしまうため、Wさんに「次の部品を付けたいです。」とお願いして単品を5つほど実装して、本日はタイムアップとなりました。

片付け中、Kさんにハンダ付け上手いですね。と話しかけると「リーマンではRSP-01や03で実装をいろいろやっているTさんがプロで、自分はそんなんじゃないです」とのこと。
リーマンサットの奥深さを垣間見ました。

最後にPM根橋さんに今日の感想を伺いました。

今日は初参加の方や最近入った方が手を動かせたのは良かったと思っています。今日のゴールに掲げていた基板実装完了まではできませんでしたが…。実際難しかったっすよね(笑) でも、こうやって実際に会えば進んで行くんです。4月中に実装を終えて5月にテストのフェーズに進めるよう続けていきたいと思います。今回はKさんのテクニックも学べたし、実装を進める中でこうやれば良かったみたいなこともメンバーの共通認識になりました。

 

今回の弐号機かわら版は以上です。
なかなか技術系の詳しい話がないので読み応えがなかったかもしれません。
そんな方は是非RSP-02に参加して詳しい人と仲良くなって直接聞いてください!
それができるのがリーマンサットの良さだと思います。
引き続き超小型衛星RSP-02をよろしくお願いいたします!


【この記事を書いたメンバー】

広報部オウンドメディア課 & RSP-02広報 Kkura

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