こんにちは、超小型衛星RSP-03チームです。
「ハモるん開発記」では、リーマンサットでの衛星開発がどのように行われているのかを、ハモるんことRSP-03の開発各系ごとにご紹介します。
「ハモるんって?」「”系”って?」という疑問があるかたは、文末へどうぞ!
前回の進捗報告はこちら→ハモるん開発記:超小型衛星RSP-03進捗2024年4月
2024年5月のRSP-03超小型衛星開発において、各系ごとに進捗状況を取りまとめました。
2024年5月のハモるんと03メンバー
ハードウェアの組立作業が完了し一安心の03メンバー。
ソフトウェア開発完了目標を7月末に定め、衛星の引き渡しに向けて最後の追い込みです!
それでは、5月の各系進捗です。
PM系(プロジェクトマネジメント)
●安全審査
・Battery_Verification_Test_Reportを作成、提出。
・作業中に発生した太陽電池の微小な割れに対してカプトンテープを貼り付ける対策で合意。処置を完了し真空試験でも剥がれないことを確認。カプトンテープ貼り付け手順書を作成し提出。
・Phase012の議長審査が完了し、ドキュメントを提出。
●宇宙活動法関連
・バッテリ・電源仕様、構造関連の申請書ドラフトを内閣府に提出。
M系(ミッション)
・ 運用実行シーケンスを見直し中。SSTV送信やデジトーカ送信、画像撮影の内部実装を調整中。
・地上局システムを開発中、各系統間のシステム結合テストを開始。地上局ソフトからC系へのリクエストは通過したが、応答確認は未完了。
・引き続き曲生成パラメータを検討中。
C&DH系(コマンド&データハンドリング)
・設定保存機能、テレメトリ定期ダウンリンク機能、時刻配信機能が完成。
T系(通信)
・TOBC(通信系OBC)ソフトの開発が引き続き進行。搭載受信機の受信感度測定を開始。
・M系と運用シナリオを確認し、必要な機能を実装中。
P系(電源)
・進捗なし。
A系(姿勢制御)
・単体動作検証治具を使用し、動作データの取得および検証を実施。
・動作データの追加取得を依頼。
・センサのばらつき解析作業を継続。
H系(熱・構造)
・振動試験の準備を開始。
G系(地上局)
・運用システムのゲートウェイ*のRust化進行中。
※ゲートウェイとは…プロトコル(AX.25、CCSDS)に対応したコマンド生成機能や、衛星開発時のコマンドデバッグ機能などを備えた部分
・星座の写真データから赤経赤緯の情報を取得し、運用システム上で表示する機能が実装された。
D系(デザイン)
・クラウドファンディング関連デザインの作成進行中(トップ画像、パーカー、Tシャツ、トートバッグ、フライヤー)。
・リターン用パーカーのデザイン、筐体、回路図、基板設計図、どれがいいか悩み中。
X系(外部公開)
・『ソラテレ夢宙人放送局』2024年5月11日土(土)公開!
【趣味で人工衛星を打ち上げます】すでに2基の人工衛星を打ち上げた謎の集団に潜入 【もうけを度外視すれば宇宙開発はこんなに楽しい!】
・RSP-03技術講演会会場候補下見。「宇宙のお店」@浜松町 が最有力候補に。科学未来館もよさそう。。。
・技術記事「コーティング作業体験記事」公開。
「衛星に搭載する回路基板に欠かせない処理…RSP-03の「コーティング」作業を体験しました!」
・リーマンサットメンバーへのFM(Flight Model、実際に宇宙へ放出されるモデル。フライトモデル。以下FM)お披露目会の準備進行中。
F系(ファンディング)
・クラウドファンディングについてシュミレーション中。
・返礼品計画策定。
・RSP-03メインテーマ制作のためのキーパーソンが浮かび上がる。
RSP-03特設サイト
大きな進捗なし。人材募集中(HTML、CSS、Next.js、Node.js)。
エレキ系
ハーネスモデルから昇格したEM(Engineering Mode,衛星が宇宙環境で稼働できる事を地上で試験するモデル)がほぼ完成。パネル2面をアクリルパネルにし中が見えるようにした。3台目のテストベンチ(地上試験用の衛星モデル)用途のほか、今後の展示やお披露目会での活用を予定。
ほぼホンモノ仕様、しかも動く!
総括
5月は開発各系において試験や開発の追い込みが加速した月となりました。
PM系では安全審査のPhase3に向けた資料作成やバッテリーテストが進み、M系では運用シナリオの再構築とシステム結合試験が進展しました。
T系、C&DH系、エレキ系でも機能実装が進み、それぞれのシステムが連携する形でのテストが本格化してきています。
広報系のD系、F系、X系においては、クラウドファンディングや広報活動に向けた準備が進められ、FMお披露目会や技術講演会の準備も計画的に進行中です。
ハモるんとは
ハモるんは超小型人工衛星「RSP-03」の愛称です。
サイズはなんと、手のひらサイズの約10センチ四方の立方体!
この小さな衛星が行うミッションのコンセプトは「星のシンフォニー(Stellar Symphony )」です。
地球を周回しながら、「宇宙空間で撮影した星の画像」と「衛星のハウスキーピングデータ(衛星の各パーツの状態を表す数値)」から多彩な音楽を作曲し、その音楽データを地上に送ります。
”系”とは
リーマンサットでは、二つの意味で「系」という言葉を使っています。
①何らかの機能を持つ仕組みのこと。
②衛星開発プロジェクトを行うために、機能や役割ごとに技術部内で分かれているグループのこと。
ハモるんでは、ミッション系や姿勢制御系、地上局系など、現在10+α のグループに分かれて開発を行っています。このグループを”系”と呼んでいます。
以上、2024年5月の開発進捗でした。
次回のハモるん開発記もお楽しみに!
2025年7月、ミニ音楽会やります
※当レポは2024年の話ですが、音楽会は2025年の話です!
2025年7月21日(月・祝)、門前仲町にて『ハモるんミニ音楽会』を開催します。
詳細はコチラ!
ピアノ奏者の岡野勇仁氏を迎え、『 ハモるん』をテーマに、カバー曲あり、人工衛星作曲(!)のオリジナル曲ありの多彩な演奏をお届けします。
また、リーマンサットならではの取り組みとして、演奏前に衛星開発メンバーが衛星開発や宇宙開発の魅力もお伝えします。
お席が残り少なくなっております。お問い合わせはお早めに!
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宇宙開発したい皆さん、一緒に何か企てませんか?リーマンサットが気になったかたはこちらまでどうぞ。
開発メンバー、広報として一緒に盛り上げていくメンバーも随時募集中です。
【この記事を書いたメンバー】
広報部 オウンドメディア課 &RSP-03外部公開系 トモエ モエ
リーマンサットCBO(C:最高 B:ビール O:責任者)
好物はビールと焼肉