今回は、リーマンサットのローバー”ZIPANGU”と一緒に2023年6/月15日 ~ 6月19日に行った、学生ローバーの活動報告です。

今回は学生ローバー編

リーマンサットローバーチームでは、アメリカのブラックロック砂漠にて、オレンジロケット株式会社の角地さんのロケットに超小型ローバーを載せて打ち上げを行う実験(大会に出場するわけではなく、趣味の活動として現地と日本をオンラインで繋げながら行った実験のため、ローバーチームでは「オンラインARLISS」もしくは、「ロケット打ち上げ実験」と呼んでいます)を行いました。
今回は、ローバー”ZIPANGU”と並行して開発している学生ローバーの活動報告です。
今後もこのような機会に巡り会う方はぜひ読んでいただけるとご参考になるかと思います。
(p.s.報告というより日記になりました)

アメリカへ

6/14(Wed.) 渡航初日:
日本からホノルル経由でサクラメント空港にやってきました。

お湯を沸かす機械がなく、持参したカップ麺は食べることができず。大学の後輩からいただいたカントリーマームをいただき、就寝しました。

6/15(Thu.) 渡航2日目:
サクラメント市街で食料調達、用事を済ませてガーラックへ200 km以上走ってリノへ向かいました。

サクラメントからリノへ

リノの倉庫へロケット関係の部品を取りに行き、そのままファーンリー、ガーラック、砂漠へ向かいました。

ファーンリーからガーラックへ

ブラックロック砂漠に入ったところでレンタカーした車が川にはまり、立ち往生しました。

砂漠でスタックした車からの風景

二時間後、AeroPacの方に助けに来てもらいました。
その日は遅くなってしまったので、発射場には行かずにガーラックの宿に帰りました。

ガーラックのレストラン

学生ローバーは動作チェックをした際、電圧を中心とした非常に多くの問題を解決する必要があることが判明しました。

アメリカメンバー、日本メンバー(学生メンバー、また学生メンバー所属大学の研究室の先輩)に協力をいただきながら回路の配線修正、部品交換(たまにショート…)など、夜通し作業をしました。

夜中の動作チェック(諸々調整)

6/16(Fri.) 渡航3日目:
発射場へ

砂漠での学生ローバー

学生ローバーは更なる問題に直面します。
フィットチェックをした際に、径のサイズがちょっときついということになり、タイヤを削ったり、ローバーを囲うプラスチックのキャリアを加工することとなりました。

フィットチェックにパスできなかった学生ローバー

打ち上げは後日に延期し、ZIPANGUローバーの方を先に打ち上げる流れとなりました。

ZIPANGUローバーの準備

ZIPANGUローバーの打ち上げから走行を見届け、その日は一旦帰宅しました。
ガーラックから100 kmほどのファーンリーという場所にて食事、買い物を済ませ、宿で就寝しました。

ファーンリー宿泊場所近くの風景

6/17(Sat.) 渡航4日目:
ファーンリーから出発し、ガーラック経由で、砂漠へ向かいました。

発射場(2日目)の様子

この日の砂漠は風強めで打ち上げは厳しいとのことで、ロケットの準備だけをして、打ち上げは翌日にやることになりました。
学生ローバーは、ようやくフィットチェッククリアという感じでした。

フィットチェックにパスしつつある学生ローバー

夜はガーラックでのコンサート付きBBQ(街の人がひたすら踊っていました。)を堪能しました。

が、その後、学生ローバーの駆動関係を中心に回路の方でまた問題が生じ、その日はまたまた夜の作業に没頭する形となりました。
色々とあって、タイマーでパラシュートについたキャリアを分離させる方向性となり、最終仕上げをし、翌日の打ち上げを待つ形となりました。

6/18(Sun.) 渡航5日目:
朝早く発射場へ向かい、打ち上げ準備を早急に進めます。

発射場(3日目)の様子

リセットボタンを押してから50分後にキャリア分離機構を動かす形にしていました。なので、ボタンを押してすぐにロケットに入れ込み、発射を見守り、打ち上げへ。

学生ローバーを載せたロケットを発射台に搭載した様子

打ち上げ直前の様子

打ち上げはうまく行きました。
分厚い雲を突き抜け、見えなくなると、GPSを頼りに探しに行きます。
GPSによると5km発射場から遠くへ行ったとのことでした。

川、茂みに阻まれ、落下地点へ向かえず立ち往生

川のある沼地の方向へ行ったとのことで、車で追いかけることになりました。
川があり、なかなか車で前進できない中、ある時、ちょっと色が濃い地面に出くわしました。
川っぽくはなかったので、 (川でなければ大丈夫じゃないか?と思いつつ)進んでみたところ…。
立ち往生!!またハマってしまいました。
その際、ローバーチームの精鋭のお2人の車がすぐ後ろにいたので彼らも含め三人で車を押して、バックで脱出できないか試みました。
がしかし力が足りず、発射場に一旦戻りました。そして、AeroPacの方の車に乗ってまた牽引してもらうことに。
「今回は確かに川ではなかったね!笑」という耳の痛い言葉をいただきながらなんとか脱出に成功しました。

その後、発射場に戻り、取りに行けないロケットと学生ローバーについてAeropac会長(Jimさん)に直談判し、副会長(Tonnyさん)にモーターサイクルで取ってきてもらうことになりました。
写真で見せてもらったのですが、ロケットが落ちたGPS情報から探して見つけたパラシュートは黄色でそれは打ち上げたロケットのもの。
その場所は、田んぼのようなある程度水嵩のある沼地でした。
車では行けないので、Tonnyさんが自身の足で入っていってまで取りに行ってくださった。
バイクでロケットを持って帰ってきました(映画のワンシーンのようにかっこよかった)。

ロケットの部品4つのうち3つが見つかりましたが、ロケットの残りの一つの部品と学生ローバー一式は見つからなかったそうです。

沼地から見つけてきたロケットの一部

この学生ローバーを作るにあたって、非常に多くの人の労力と時間を巻き込む形となってしまいましたが、逆に言えば、多くの人とより強い繋がりを持つことができました。
宇宙開発はそういうものなのかもしれませんね。

学生ローバーは戻ってこなかったので、ローバー一式(大学の部活の備品であるリポバッテリーを含む)を一つアメリカに置いていく形となってしまいました。

また、確認したい情報(パラシュートは開いたか、キャリアは展開したのか、ハード(構造、エレキも含め)は着地に耐えられたか、など)は見送りということになります。

帰途へ

記念撮影、AeroPacの方への挨拶を終え、(帰りの飛行機の便の時間が早かったので)急いで帰路につきました。

アメリカでの記念撮影の様子

リノの倉庫へロケットのパーツをしまい、サクラメントへ。

6/19(Mon.) 渡航6日目:
サクラメントからホノルル経由で日本へ帰国しました。機内でこの文章を書きつつ、反省点を振り返ったりしました。

終わりに

学生ローバーはロストという結末を迎えたと記載しましたが、AeroPacの方にご迷惑をかけてしまうことにはなりますが、機体を探し続けてくださるとのこと。
見つかったら、9月ごろに角地さんが他のお偉いさんと一緒にロケット打ち上げに行く機会に回収してくれるそうです。

今回のような趣味でロケットにローバーを乗せて打ち上げる実験というのは、今後も日程さえ合えば、続けてくださるとのことです。
ですので、今回で最後というわけではなさそうです。角地さんもローバーチームも同じリーマンサットのメンバーなので、気楽に楽しくやっていけるような気がします。
もし、ご都合がよろしければ次の機会にでも参加してみてください!
このような機会をくださったオレンジロケット株式会社の角地さん、手筈を整えたり、ロケット燃料費を捻出してくださったり、アドバイスをくださったローバーチームの皆さん、本当にありがとうございました。
また、少ない人数でも諦めずに着いてきてくださった学生チームのみなさん(理科大葛飾キャンパス無線研究部の部員の方々、研究室の方々も協力くださいました)にも感謝します。
ありがとうございました!

以上リーマンサットローバーチーム進捗報告でした。
今後とも応援よろしくお願いします!
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あなたも一緒に、ローバー開発してみませんか?
リーマンサットメンバーの活動を下記にまとめました。ぜひご覧ください!

https://www.rymansat.com/join

【この記事を書いたメンバー】

技術部 ローバーチーム  電装見習 かわぐち

宇宙とロボットが好きな大学生 
座右の銘は、限界突破


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